2012年07月22日
見知らぬ同士。介護談義に花が咲く!
あるクリニックの整形外科の待合室。
たまたま隣り合わせた女性たち。
「あなたはどこが悪いの?」と一人が切り出す。
不思議なもので、見知らぬ同士のほうが遠慮がないのか、
妙に話に花が咲くとでもいいましょうか。
「女三人寄ればかしましい」とはよく言ったものです。
70代から80代の女性が3人。途中から60代が加わります。
骨折・打撲・脊柱管狭窄症(いわゆる坐骨神経痛)など色々。
痛みをともなう症状にはついて回るものがあります。
誰かに日常の家事をお願いしなければなりません。
加えて、自分の介護をお願いしなければならないのです。
買い物、料理、後片付け、掃除、洗濯。
これまで自分が担ってきたことを頼める代わりの人材は?
そして寝る、起きる、トイレ、入浴などの身体介護を誰に?
自分の身体が思うように動かない。
初めての体験に戸惑います。
さて、誰に何を頼むのかが問題です。
4人のうちのお一人の話。
夫は横のものを縦にもしないし、ましてお茶を入れたこともない。
料理も洗濯も頼めない。
食べるものを適当に買ってきてと言っても無理なのよ。
そもそも私のことは家政婦だと思っているんだから・・・
私の介護を頼むなんてまっぴらごめんなの!
だから仕方なく娘にお願いしたのよ。
「うちもそうよ~」とばかり、他の3人もうなずきます。
生まれが大正~昭和初期の男性には結構多いようです。
痛みがあると、起き上がる時や移動に時間がかかります。
そう、トイレに間に合わないこともあるのです。
そこで紙パンツ(リハビリパンツ)の登場です。
(最近はあまり紙オムツとは呼ばない傾向)
排泄に人の手を必要とする時、尊厳というものが目前に
現れます。紙パンツを下ろすことも難儀するのです。
ショーツタイプは漏れてしまのよ~
でもボクサータイプなら平気よ。
ずっしり重くなってびっくりしたけど、脱ぐときに両脇が
やぶけるの。便利よ~
だけど、自分の身体がこんなになっちゃうなんてね、
本当にショックよね。
娘さんにお願いした女性。実はお嫁さんと同居です。
食事やいろいろ頼んでいるから、トイレのことや入浴の
手助けまでお願いすることができないと言うのです。
なんだかそれも淋しいような気がしますが、一度弱みを
見せたら後々大きい顔をされるのが我慢できないとか。
夫には頼れない。お嫁さんには大きな顔をされたくない。
ホームドラマは現実なのですね。
途中から加わった60代の女性。
同居している30代の娘さんに、最近こう言われたとか。
「私は絶対に結婚しない。結婚に夢も希望もない・・・」
娘と同居していて良かった反面、つらい現実。
でも、夫婦ふたりだけの生活だったらどうしますか?
70、80代の男性だと、家事は奥さんがするのが当たり前。
こんな家庭がまだまだ多いということは、いざ女性に介護が
必要なときを前もって考えておく必要があります。
男性の家庭内の自立度。実はこれは現在大きな問題です。
奥さんを介護されている男性は、これまでの家事経験が
そもそも乏しく、不慣れな家事に加えて介護の負担です。
精神的に追い詰められていくことも無きにしも非ず。
いくら日本の女性が長寿とはいえ、男性の介護負担が
まったくないわけではありません。
両親と同居してから視えてきた、この世代特有の夫婦像。
「何で定年後にもっと家庭内自立を教育してこなかったの?」
親子だからこそ、娘の言葉もむき出しで突き刺さることも。
「私が介護されることなんて想定してなかった・・・」
介護される側も心の痛みを伴います。
待合室の女性たち。
「まさか自分がこうなるなんて考えてもみなかった」
口々に語り、相手の話に大きくうなずき合いました。
そして結論に至らないながらも、
「夫にはこれから何を協力してもらえるか率直に話してみる」
そう落ち着いたそうです。
四人の中のひとりは私の母親。
診察の順番が来て名前を呼ばれて立ち上がり、振り向きざまに
団塊世代の男性が3人座っていることに気が付きます。
「あら、しまった!でもよい機会かも」
そう思って診察室に入ったそうです。
前の席で夫の悪口を含め、さんざん盛り上がっている女性たち。
それを聞いていて後ろの男性たちはどう感じたことでしょう。
たまたま隣り合わせた女性たち。
「あなたはどこが悪いの?」と一人が切り出す。
不思議なもので、見知らぬ同士のほうが遠慮がないのか、
妙に話に花が咲くとでもいいましょうか。
「女三人寄ればかしましい」とはよく言ったものです。
70代から80代の女性が3人。途中から60代が加わります。
骨折・打撲・脊柱管狭窄症(いわゆる坐骨神経痛)など色々。
痛みをともなう症状にはついて回るものがあります。
誰かに日常の家事をお願いしなければなりません。
加えて、自分の介護をお願いしなければならないのです。
買い物、料理、後片付け、掃除、洗濯。
これまで自分が担ってきたことを頼める代わりの人材は?
そして寝る、起きる、トイレ、入浴などの身体介護を誰に?
自分の身体が思うように動かない。
初めての体験に戸惑います。
さて、誰に何を頼むのかが問題です。
4人のうちのお一人の話。
夫は横のものを縦にもしないし、ましてお茶を入れたこともない。
料理も洗濯も頼めない。
食べるものを適当に買ってきてと言っても無理なのよ。
そもそも私のことは家政婦だと思っているんだから・・・
私の介護を頼むなんてまっぴらごめんなの!
だから仕方なく娘にお願いしたのよ。
「うちもそうよ~」とばかり、他の3人もうなずきます。
生まれが大正~昭和初期の男性には結構多いようです。
痛みがあると、起き上がる時や移動に時間がかかります。
そう、トイレに間に合わないこともあるのです。
そこで紙パンツ(リハビリパンツ)の登場です。
(最近はあまり紙オムツとは呼ばない傾向)
排泄に人の手を必要とする時、尊厳というものが目前に
現れます。紙パンツを下ろすことも難儀するのです。
ショーツタイプは漏れてしまのよ~
でもボクサータイプなら平気よ。
ずっしり重くなってびっくりしたけど、脱ぐときに両脇が
やぶけるの。便利よ~
だけど、自分の身体がこんなになっちゃうなんてね、
本当にショックよね。
娘さんにお願いした女性。実はお嫁さんと同居です。
食事やいろいろ頼んでいるから、トイレのことや入浴の
手助けまでお願いすることができないと言うのです。
なんだかそれも淋しいような気がしますが、一度弱みを
見せたら後々大きい顔をされるのが我慢できないとか。
夫には頼れない。お嫁さんには大きな顔をされたくない。
ホームドラマは現実なのですね。
途中から加わった60代の女性。
同居している30代の娘さんに、最近こう言われたとか。
「私は絶対に結婚しない。結婚に夢も希望もない・・・」
娘と同居していて良かった反面、つらい現実。
でも、夫婦ふたりだけの生活だったらどうしますか?
70、80代の男性だと、家事は奥さんがするのが当たり前。
こんな家庭がまだまだ多いということは、いざ女性に介護が
必要なときを前もって考えておく必要があります。
男性の家庭内の自立度。実はこれは現在大きな問題です。
奥さんを介護されている男性は、これまでの家事経験が
そもそも乏しく、不慣れな家事に加えて介護の負担です。
精神的に追い詰められていくことも無きにしも非ず。
いくら日本の女性が長寿とはいえ、男性の介護負担が
まったくないわけではありません。
両親と同居してから視えてきた、この世代特有の夫婦像。
「何で定年後にもっと家庭内自立を教育してこなかったの?」
親子だからこそ、娘の言葉もむき出しで突き刺さることも。
「私が介護されることなんて想定してなかった・・・」
介護される側も心の痛みを伴います。
待合室の女性たち。
「まさか自分がこうなるなんて考えてもみなかった」
口々に語り、相手の話に大きくうなずき合いました。
そして結論に至らないながらも、
「夫にはこれから何を協力してもらえるか率直に話してみる」
そう落ち着いたそうです。
四人の中のひとりは私の母親。
診察の順番が来て名前を呼ばれて立ち上がり、振り向きざまに
団塊世代の男性が3人座っていることに気が付きます。
「あら、しまった!でもよい機会かも」
そう思って診察室に入ったそうです。
前の席で夫の悪口を含め、さんざん盛り上がっている女性たち。
それを聞いていて後ろの男性たちはどう感じたことでしょう。
Posted by オレンジの朝 at 12:52│Comments(0)
│「老い」と「介護」