「ご挨拶」
「認知症」という病気に対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
私自身、新聞やテレビを通して、また、書籍などで
「ある程度認知症のことは知っている」
そう思い込んでいました。
しかし、2年前、実際に家族が認知症と診断されたとき、
それまで知っていたことが漠然としたイメージにすぎなかったことを
痛感しました。
最初に何をするのか。次はどうしたらよいのか。
家族は悩みながら、医療・介護の両方の制度で対応しなければ
なりません。いつも不安な気持ちを抱えていました。
「わからない・・・」ということはとても心がざわつきます。
つねに迷いながら足を一歩ずつ前に進ませていく感覚です。
40代でさえこんなに大変なのに、親と同世代の高齢者の方たちは
どれだけしんどい思いをするだろうか・・・。
保険制度の複雑さに加え、病気の対応への難しさ。
そして一番気になるのは、認知症の人が増えていくと言われながら
支援も乏しく、知識を得るところが身近にないことです。
多くの本で病気を調べ、認知症講演会があれば少し遠くても
参加する。
これを繰り返していくうちにだんだんとわかってきました。
認知症は高齢者の方たちばかりの問題ではないこと。
将来、私自身の問題でもあり、また地域社会のまったなしの
重要な課題でもあること。
それをひしひしと感じるようになりました。
すでに認知症の人を介護されたご経験をお持ちの方でも、
自分が認知症になったときにはきっと以前とは違い、
状況がずい分様変わりしていることでしょう。
ここ数年、医療は新薬が登場し、
介護は新しいサービスが広がったりと
大きく変化しています。
私たちはつねに新しい情報を得ていくことも
必要になっています。
情報を得ていくというのは一見大変そうに思えますが、
それだけ選択肢も広がるのです。
「知らないって損だなぁ・・・」と、何度感じたことでしょう。
一方、講演会に参加しているうちに
「私の親がこの話を聴いて行動に移せるだろうか?」
という疑問もわいてきました。
「あなたが行動するために」というキャッチフレーズは、
行動するポイントや流れを押さえておけば
私のような苦い経験(遠回り)をしなくてすむからです。
「知ることで必ず行動に移すことができる!」ということを、
心構えとして大切にしていきたいと思います。
そして学んだ知識を生活の中で実践してみましょう。
知ったことを枝葉の広がるように
お知り合いにも話してあげてください。
参加した方がそう感じてくださるように、
この会が育っていければと思っております。
これからもぜひご一緒に学びませんか?
今後は、参考になる本をご紹介したり、
医療・介護の立場の方々からお話をうかがえるような機会を
設けていきたいと考えております。
種まきをしてまだ芽が小さい会ですが、どうぞこれからも
よろしくお願いいたします。
「八王子・認知症の正しい理解と予防の会」
(1月28日開催「あなたが行動するための認知症講座」
挨拶文に加筆修正したものです)